妙善寺は、天台宗に属する元中院の末寺で道人山三心院と呼ばれ、開山の仙波中院28世尊能法印が寛永元年に父母の追福の為この寺を建立したものです。その父の法名を道仙三心と言い、仙の字を割って道人山と号し、母の法名を妙善大姉と言い、この法名から寺の名が起こったと言われています。堂宇は天明8年の火災によって焼失し以後仮堂でしたが、昭和53年壇信徒の総力によって念願の再建が叶ったものです。また、北側の菅原神社や六塚社も、やはり尊能法印が寺領に勧請したものでしたが、天明の大火によって後に現在の社地に移されたと言われています。創建時の本尊は薬師如来でしたが、今では不動明王を本尊とし、脇には阿弥陀如来、観世音菩薩、毘沙門天が安置されています。なお、境内には室町時代嘉吉元年(1441)契薫大姉逆修の年号を有する板碑供養塔、石造りの地蔵尊(元禄6年)、さつまいも地蔵尊等があります。
●川越さつまいも地蔵尊
寛政の頃、江戸の町に焼芋屋が現れ、その焼芋用のイモとして「川越いも」は発展、有名になりました。過去において、飢饉や食糧難を救ったサツマイモも、現在は「美容食」「健康食」「宇宙食」として見直され、広く人々に愛されています。瀬戸内海の島々には、江戸期、サツマイモで飢饉を乗り越えたことから、イモを伝えた先人の徳を偲び、「芋地蔵」の地蔵群が残っています。今では、飢えることはなくなりましたが、逆に「健康」を願う人々は増えました。特に、サツマイモはガンの予防食として注目されています。サツマイモで有名なここ川越では「サツマイモを食べてガンを防ごう」の願いを込め、現代版芋地蔵を建立しました。
10月13日、ここ妙善寺で「いもの日まつり(いも供養)」が行われます。どなたでも参加は自由、当日はオイモにまつわる話のほか、楽しい奉納芸能 もあります。また、健康祈願(ガン封じ)したオイモも配布されます。 |