妙昌寺は、日蓮宗大本山池上本門寺の末寺として法眞山と号し、永和元年(1375)今から六百余年前、池上本門寺第四世(四代目の貫主様)大鷲妙泉阿者梨日山聖人により現在の幸町に開創され、開山は法眞院日意上人です。諸堂は、旧多賀町及び本町にあり総門は旧江戸町にあったが、松平伊豆守が川越城を改修するため、当寺を現在の三光町の旧浅場孫兵衛侍屋敷跡地に江戸時代寛保元年(約220年前)に移築したものです。平成四年三月に壇信徒念願の新本堂と客殿が完成し、寺観を一新しました。
●伝統ある「ほうろく灸」
毎年、土用丑の日には、伝統行事の一つとして、恒例の「ほうろく灸」が行われます。この「ほうろく灸」の由来は昔、炎天下で暑さ負けした武将が、カブトの上から灸をすえたところ、たちどころに全快したと伝えられ、明治に入ってから、当地の伝統行事として続けられています。素焼きのほうろく皿を頭にのせ、大きなもぐさに火をつけてもらい、「心頭滅却すれば・・・」と我慢すれば、暑気あたり、頭痛の病に効能あらたかなるものがあり、東京方面をはじめ近郷近在からの参詣で早朝からにぎわいが続きます。(「ほうろく灸」は、毎年土用丑の日、午前五時から正午まで行われます。なお、この「ほうろく灸」は、NHKテレビにも放映されました。)
●妙昌寺富士眺望之図(江戸時代)
その昔、妙昌寺高台からの富士山の眺望は、市内第一と言われ、広く歌にも歌われるほどでした。しかし、今は当時の面影が見られないことは残念です。
|