第6回 
ひっかわせ

 
 


川越まつりが一番の盛り上がりを見せるのは、やはり、ひっかわせの時でしょう。皆さんは、ひっかわせをご覧になったことはありますか?ひっかわせとは、交差点などで山車同士が出会うと、山車の正面を向け合って囃子と踊りを競い合うことをいいます。特に勝ち負けがあるわけではありませんが、しばらくの時間、囃子を奏で、踊りを披露し合います。


ひっかわせ(仲町交差点)

何といっても、ひっかわせは夜見るのが一番です。輝く山車が2台、回転式の囃子台をクルッと向け合い、軽快に囃子を奏で、ユニークな踊りが続きます。両町内の若衆たちが山車の前で提灯を片手に歓声をあげ、大いに盛り上がります。提灯の明かりが闇に揺れる様、重なり合う囃子の音色は、ある種の陶酔を私たちにもたらします。

山車が2台ならまだしも、これが3台、4台、5台と一箇所に集まってくる時もあり、夜の闇に浮かぶ絢爛豪華な山車から漂うオーラと、山車を取り囲む人々の息遣いが一層強いものになります。赤とも橙ともつかない妖艶な光を放ちながら、人垣の中心に山車が浮かび上がる情景は、強烈で荘厳な印象を与えます。


ひっかわせ(仲町交差点)

このような時に大変なのは、各町内の山車の運行責任者。一つの交差点に幾台かの山車が入ってくるので、各町内の山車の行列を混乱を招くことなくコントロールしなければなりません。ひっかわせが行なわれている横では、気合に満ちた顔つきで、運行責任者たちが話し合いをしている姿を目にします。

平成14年度の川越まつりは、市制施行80周年を記念し、29の山車・屋台が参加することになっていますので、町のあちらこちらでひっかわせが見られるかもしれません。ぜひひっかわせをご覧になってください。それでは、今年の川越まつりでお会いしましょう。

ご注意)
ひっかわせの時は、交差点内に人がたいへん多く集まるので、身動きが取れなくなることがあります。また、急に山車が交差点内に進入してくることもあり、綱や山車に勢いがありますので、気をつけてください。山車が数台集まるような大きなひっかわせには、女性、小さいお子さん、お年寄りは、近づきすぎないようにした方がよいでしょう。

第1回変遷 第2回天下祭 第3回山車 第4回人形 第5回囃子・踊り 第6回ひっかわせ